高くそびえる壁にいつも怯えていた
それは遠い記憶
君は散りゆくことを知りながら口を塞ぎ
何も知ることのない僕を気づかうように
薬中毒の君は細く消えそうな声で
僕に囁き告げる
これが最後に交わす言葉だとも知らずに
細く折れそうな体強く壊れるように
青白き素肌を細い指でなぞり君に溶けて
ガラス細工のように
僕の大事なものは脆く崩れていった
それを静かに映す
鏡の中の君は僕の知ってる君じゃなくて
冷たい青紫の口に舌を絡めて
青白き素肌を細い指でなぞり君に溶け
重なり合う影 氷のような腕 目を開けて答えて
君の苦しみを僕に与えてよ...君はそこで微笑んで
声を響かせて この暗闇で君は蝶に変わり
君の存在が傷口になるだからどこにも...行かないで
籠の中から抜け出せぬ飛べない鳥が真実に目を向けて
体が凍えるようだ 感覚を貫く痛み
症状が加速してゆく
心臓、両腕、両目、神経の火替えすべてを
ナイフで切断して 痛み和らげようか
傷口から流れる血は赤く赤い涙にいて
重なり合う影 氷のような腕 目を開けて答えて
君の苦しみを僕に与えてよ...君はそこで微笑んで
この一粒の薬で君と同じ楽園へ行けるなら
蝶になる